妊活栄養素の王道「葉酸」の効果・効能

投稿者: | 2月 1, 2017

妊活栄養素の王道「葉酸」の効果・効能
「妊活栄養素といえばコレ!」というくらいおなじみになってきた葉酸。以前は胎児の重要器官が作られる妊娠初期に摂るべき栄養素という位置づけでした。ですが葉酸の優れた造血作用と細胞に働きかける力は、妊娠しやすい体作りにも効果的。妊活期の今から始めておきたい栄養素なのです。

葉酸の効能1:造血作用が子宮力を上げる!

体内を巡っているうちに老廃物で汚れてしまったドロドロ血液は、血管をスムーズに通ることができません。これがいわゆる血行の悪い状態。特に女性の場合は妊娠力を下げる原因になりやすいといわれています。葉酸には血液細胞の1つ「赤血球」の生産を助ける力があり、体内の血液を新しく元気なものに作り替えてくれます。血液から栄養を受け取れるようになった子宮は、それをエネルギー源にしてさっそく卵胞の成熟や子宮内膜の準備に取りかかるのです。妊娠のための一連の過程をスムーズに行えるよう、葉酸の造血作用は間接的に働きかけてくれるということですね。

葉酸の効能2:細胞に働きかけて妊娠力をアップ!

人間の体の皮膚や筋肉、臓器などの器官を作っている組織はいわば細胞の集合体。もちろん子宮や卵巣といった妊娠に関わる器官も例外ではありません。妊娠が成立するためには受精卵が子宮内膜に着床し、しっかり定着する必要がありますが、ここでも葉酸は効果を発揮します。葉酸は受精卵の細胞分裂を手伝いながら、同時進行で子宮内膜の細胞増殖を活発にさせて丈夫なベッドを作り上げてくれるのです。
元気な受精卵と元気な子宮内膜がそろえば、その分着床率=妊娠確率がアップするのはいうまでもありません。

葉酸の効能3:卵子の若返りで妊娠継続をサポート

妊活世代になるとそろそろエイジングケアも気になり始める頃でしょうか。とある実験では、血液中の「ホモステイン濃度」が高い人は葉酸をはじめとするビタミン不足だというデータが出ています。ホモステインとは体内の活性酸素を増やす原因の1つとなる物質のこと。
活性酸素は子宮や卵子を老化させて妊娠力を下げてしまいますので、ホモステインを分解する力をもつ葉酸が妊活向けの栄養素というのも納得です。また妊娠後も加齢と共に上がる初期流産や早産のリスクを下げてくれることが期待されます。

葉酸の効能4:先天性疾患のリスクを下げる

1960年代から盛んに先天性疾患のひとつ神経管閉鎖障害について研究していた欧米の各機関は、そのリスクを低減するのに葉酸が有効であるというほぼ一致した結論に達しました。
実際に葉酸を穀類に添加するよう義務付けたカナダでは、神経管閉鎖障害をもって産まれてくる新生児の数が46%も減少したそうです。
また、日本でも1990年代頃から症例数が増えてきたため、厚生労働省が妊娠中や妊娠可能な年齢の女性に向けて積極的に葉酸をとるよう勧めています。
細胞の分裂や増殖に働きかけ、胎児の正常な発育を促す作用のある葉酸。特に神経中枢などの重要な器官は本人が妊娠に気づく前にもう完成していますので、妊活中から葉酸を摂っておくことがどれほど大切かわかりますよね。

おわりに

妊活中は体質を改善して妊娠しやすい体作りを、そして妊娠中は丈夫で元気な赤ちゃんの体作りを。葉酸は細胞増殖に働きかけるだけでなく、時には細胞の素「DNA」そのものにも作用するのです。
体内吸収率は食品から摂った場合で50%、サプリメントして摂取した場合は80%近くと、摂取方法によって大きく違ってきます。
また、葉酸は水溶性ビタミンの一種ですので、排出されやすく体内にためておくことはできません。葉酸のこういった性質を考えると、厚生労働省が勧告しているようにサプリメントで補う方が良いようです。