妊娠しやすい体作りのために必要なものって何だと思いますか?葉酸やビタミンEなど、妊娠力をアップさせてくれる栄養素ももちろん大切。でもそれらの栄養素を活かすには妊娠するための機能がきちんと働いていることが前提です。不規則な食生活や極端なダイエットが原因で、いつの間にか妊娠しにくい体になっている女性は増えているそうですよ。
健康な体作りの基本はタンパク質!
日本人のタンパク質摂取量は年々下がってきているという統計もあり、それは妊活世代の女性も例外ではありません。皮膚や筋肉、髪の毛や爪など主要なパーツの材料になるタンパク質はまさに人間そのものといえます。人間が生きていくためには、血液として細胞に栄養を送り届ける水分ももちろん必要ですが、それ以前にタンパク質がなければ体を維持することすらできません。タンパク質はこのように体作りの基本となるのはもちろん、子宮を健康な状態に導き、受精から胎児の育成に至るまでの全てのプロセスに関わってきます。
タンパク質が不足すると妊娠成立自体が困難!?
人間の体はタンパク質が不足すると筋肉量が減少し、それに伴って基礎代謝量も下がっていきます。体があまりエネルギーを消費しなくなるため、体温は下がり、そうなると血液の流れも悪くなり、大切な臓器や器官に栄養を届ける作業が滞りはじめます。栄養が足りない子宮は元気がなくなってしまいますので、当然妊娠力も下がってしまいます。
また、タンパク質は子宮内で受精卵を受け止める内膜の材料にもなり、着床した受精卵を胎芽へと成長させるための大切な栄養にもなっているのです。こうして考えると、タンパク質が不足した体では妊娠を成立させるのは難しいと思いませんか?
タンパク質はどれくらい摂るのがいいの?
1日に摂りたいタンパク質の量は約50g(厚生労働省の推奨量)。一方で、100gあたりの含有量を見てみると牛肉の場合で20gほどなので、意外と少ないですよね。これではお肉を控えめにしていると、すぐタンパク質が不足気味になってしまいそうです。基本は毎食必ずタンパク質を含む主菜(魚、肉、卵、大豆製品)を食べること。
もしランチをささっとパスタだけで済ませてしまった時は、夕食や次の日の食事で調整するようにしましょう。
「ヘルシー」な植物性タンパク質ばかりはNG!
タンパク質には肉類に含まれる動物性のものと大豆製品に含まれる植物性のものとがありますが、理想はそのどちらもバランス良く摂ることが大切です。大豆製品ばかりでタンパク質を補っていては脂質が不足しやすくなり、生殖ホルモンの材料になるコレステロールが作られなくなります。反対にお肉ばかり食べていてもカロリーオーバーが心配になります。
また、大豆製品に入っているイソフラボンには女性ホルモンを整える作用があると言われていますが、妊活中には要注意。摂りすぎると逆に排卵障害や黄体機能不全を引き起こす場合があるので、1日の摂取上限量(70g程度)を超えないように調整しましょう。
タンパク質と合わせて摂りたいビタミンB6
タンパク質とビタミンB6を同時に摂取すると効率良くエネルギー変換が行われます。ゴマや焼き海苔、赤ピーマンやパプリカなどは、ビタミンB6を含み調理もしやすいおすすめ食材。お肉の付け合せに色鮮やかな赤ピーマンを添えたり、普段の副菜に焼き海苔やゴマを散らすだけでも十分ですよ。
おわりに
カロリーは足りているのに栄養素が足りていない隠れ栄養失調の女性、特に若い世代に増えてきているそうですね。忙しいからといってレトルト食品ばかり食べたり、体重を気にしてサラダばかり食べていたりといった食生活を続けていると、どんどん妊娠力が下がってしまいますよ。今日からはしっかりお肉も魚も食べて、妊活向けの体作りを始めていきましょう!