葉酸にビタミンE、そしてタンパク質。妊娠力を上げてくれる栄養素はたくさんありますが、妊活を始めたばかりの頃はついついあれもこれもと欲張ってしまいますよね。もちろんそれぞれを意識していくことも大切ですが、ここではちょっと視野を広げて、「食材」や「栄養素」ではなく「食事」という単位で考えてみましょう。
温かい食事で妊娠力を上げる
昔から「冷えは女性の大敵」とよく言われますが、これは子宮の最大の弱点が「冷え」だということに由来しています。体が冷えた状態=血流が悪い状態です。血液の流れが悪くなると、血管は細胞に栄養を届けるバイパスとしての役目をしっかり果たせません。このせいで体のあちこちに悪影響が出てくるわけですが、特に大部分が血管でできている子宮はダメージを受けやすく、妊娠するための機能が落ちてしまいます。
子宮を元気に保つためにも、体を芯から温めてくれるメニューを食卓に用意しましょう。生姜や根菜類を使ったスープや煮物はおすすめですよ。夏野菜(トマト、レタス)や化学調味料は体を冷やしてしまうので、摂りすぎには要注意です。
バランス良い食事でバランスの良い体を作る
体のバランスを整えてくれるビタミン類豊富な野菜たち。一見健康的に思える野菜中心の食生活も、実は妊活中にはあまりおすすめできないスタイルです。妊娠・出産を乗り越える体力をつけるためには肉や魚に含まれるタンパク質も必要ですし、生殖ホルモンの素になる脂質も欠かせません。どれか1つに偏りすぎず、基本の栄養素である炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラルをバランス良く食べることが妊娠力アップにつながります。1日3回毎食ごとに必ず用意したいのは主食(米、パン類)と主菜(肉、魚料理)。また野菜料理は1日当たり5品と考えるとメニューが決めやすいですよ。
「食べ合わせ」にも気をつける
食材や栄養素には相性の良いものとそうでないものが存在します。例えば、脂質と糖分の吸収を緩やかにしてくれるカテキン。ダイエット中には嬉しい成分ですが、妊活中に必要な鉄分や葉酸の吸収までブロックしてしまいます。
せっかく妊娠力アップのために考えたメニューが食後のお茶1杯で台無しに、というのは少し大げさですが、この場合は少し時間を空けるなどの工夫も必要ですね。逆に「脂溶性ビタミン+脂質」のような相性の良い組み合わせもたくさんありますから、メニューを決める時は食材同士の相性も考えてみましょう。
早めの夕食で心身共にリラックスする
日中は活動モードだった体は、食べ物を消化しながら少しずつ副交感神経優位のリラックスモードに変わっていきます。一日の終わりに心も体もストレスフリーな状態にしてあげれば、妊娠に必要な女性ホルモンも分泌されやすくなるんですよ。
妊活をしながら仕事をしていると帰宅時間はまちまち、食事の時間もばらばらになりがちですが、夕食はなるべく早めにとるようにしましょう。また毎日決まった時間に食事をとることは、乱れた体内リズムを調整し、各器官が正常に機能するよう働きかける効果もあるそうです。
サプリメントとは上手に付き合う
必要な栄養素を必要なだけサプリメントで摂るという方法は合理的ですが、もちろんそれだけでは妊活向けの体は作れません。普段の食事では摂りにくい微量ミネラルや水溶性ビタミンはサプリメントで、それ以外の栄養素はなるべく食事からというようにうまくサプリメントと付き合っていきましょう。
おわりに
妊活中の食事で特に気をつけたいポイントは5つ。どれも当たり前のことのように思えますが、実際に自分の食生活を振り返ってみれば意外とできていないものです。特に偏食傾向や冷え症などの不安要素がある人は、このごく当たり前の食習慣を意識しながら妊活を進めてくださいね。