高い抗酸化作用をもち、「若返りのビタミン」として知られているビタミンE。実は妊活女性にもおすすめの「妊娠ビタミン」とも呼ばれているんですよ。お肌のエイジングケアのために飲んでいたビタミンEが、知らず知らずのうちに妊活力アップに貢献してくれていたなんて、ちょっと驚きませんか?
卵子と妊娠
女性が産まれた時にはすでに卵巣の中に200万個も備わっている原子卵胞(卵子の卵)。新しく作られることも増えることもないため、ただ持ち主と一緒に年齢を重ね年々数を減らしていくだけです。
若くて元気な卵子と年老いて元気がなくなった卵子、どちらが妊娠する確率が高いかは想像に難くありません。
女性の年齢が上がるにつれて妊娠確率が低下していく原因のひとつは、この卵子の老化だといわれています。
ビタミンEに期待できる効果
ビタミンEに期待されているのは、体内の活性酸素を除去して卵子の老化スピードを緩やかにしてくれる作用です。
実際にピッツバーグ大学が行った実験では「ビタミンEを摂取したグループは、そうでないグループより妊娠までに必要な期間が短い」という結論が出され、特に35歳以上の女性ではその傾向が強かったそうです。
またビタミンEは妊娠成立の過程に欠かせない黄体ホルモンの材料にもなっています。
受精卵が分裂を繰り返しながら子宮にたどり着いたとき、そこに待っているのは黄体ホルモンで作られた子宮内膜です。ここに受精卵が定着すれば着床、そして妊娠となりますが、確率は30%程度とそう高くありません。
子宮内膜が分厚く丈夫なほど着床しやすくなるので、ビタミンEはここでも妊娠しやすい体作りを陰ながら応援する存在だと言えるのです。
おわりに
肌だけでなく卵子のエイジングケアまでしてくれるビタミンEは、妊活世代の女性には頼もしい栄養素。
同じく抗酸化作用をもつミネラル「セレン」と相性が良く、お互いの力を最大限に引き出してくれるので同時摂取がおすすめです。反対に鉄剤や胃腸薬はビタミンEの吸収を邪魔してしまうので飲み合わせに気をつけるようにしましょう。